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【新刊のご案内】10月7日、福嶋裕子著『ヒロインたちの聖書ものがたり――キリスト教は女性をどう語ってきたか』を刊行します。

【新刊のご案内】10月7日、福嶋裕子著『ヒロインたちの聖書ものがたり――キリスト教は女性をどう語ってきたか』を刊行します。

ヘウレーカの10月の新刊は、福嶋裕子著『ヒロインたちの聖書ものがたり――キリスト教は女性をどう語ってきたか』です。

「女」とは罪深く、平気で嘘をつき、男性を誘惑する危険な生き物だと考える古代ギリシア的発想に代表される「女性嫌悪」の偏見。それを脇において聖書のものがたりを読むとき、泥臭い、ときには血なまぐさいとさえ言える暗い状況を、機知と機転で乗り切る女性たちの素顔が見えてきます。

聖書に登場するヒロインたちは、夫に裏切られたり、屈強な男たちに武力で囲まれたり、若くして夫と死別したり、誠実な夫を権力者に殺されたりしました。

また、若い側女への嫉妬、無理解な夫への義憤、女同士の競争、さらにはレイプと家族による沈黙の強要など、聖書は彼女たちの過酷な現実をそのままに語ります。しかし、それでも希望を失わず自らの人生に向き合い、絶望的な時代に、未来に信頼することをやめなかった女性たちがいたことは、男性中心で家父長的な古代社会を思い描く私たち現代人にとっては驚きの連続です。

本書はヒロインたちの視点を通して聖書を通観することによって、女性観や人間観、社会と人間にまつわる重い課題を考えさせてくれる聖書入門でありキリスト教思想入門です。